激甚災害発災後の治安悪化

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大きな地震の後は必ずと言って良い程デマが流れます。こう言ったデマを鵜呑みにしてしまう事で避難が遅れたり、混乱を招き治安が乱れ、強奪や暴動などが起きる事も考えられます。冷静に正しい情報を収集する事が求められます。

日本でも家屋から金品を盗み出すいわゆる火事場泥棒的事案、他人やご遺体等から物品を奪う強盗事案、また女性を狙った悪質な性犯罪も発生していました。女性が被害を受けない様にするには、まず、絶対に単独で行動しない、人気のない場所を歩かない、食糧などを分けてあげるなどの甘い言葉に乗らない、避難時、服装は出来るだけ女性らしくないもの、顔はマスクや帽子などで隠す事です。ちょっとした油断から思わぬ犯罪に巻き込まれてしまうケースがあります。また、必ずとは言いきれませんがこうした事案が発生した時、加害者はお酒を飲んでいてアルコールの匂いがしたとか、複数人で屯(たむろ)しているケースが多いようです。激甚災害発災後は少なくとも警察や自衛隊が来るまでは注意が必要です。

火事場泥棒的事案はいわゆる在宅被災者であれば注意も可能ですが、家から避難して家人が留守になっている場合はなかなか難しいかも知れません。余震などのリスクが減った後に自警団などを作り、複数人で巡回するのが適当に思えます。その際は、防犯ブザー、発煙筒、長い棒などの護身具を持っていった方がいいですね。

発煙筒は意外かも知れませんが、暴漢と対峙し逃げる時の煙幕代わりになりますし、第三者からの目印にもなります。勿論、火災などの二次災害は起こさない様に気を付けなくてはなりませんが、身の安全を確保する為、緊急避難的に使用すれば一定の効果があると思います。緊急避難は法律的に解釈しますと、双方に利益が生じない事が前提です。そして例えば生命の危険があり、それを回避する時などにする行動で起こりうる最小限の損害は緊急避難となり、罰せられる事はありませんが、それ以外の時は器物損壊や過剰防衛など、罪に問われる可能性もあります。

 

 

 

 

 

 

震度6弱

https://tenki.jp/forecaster/deskpart/2018/06/18/986.html

本日(6月18日午前7時58分頃)近畿地方地震がありました。最大震度は6弱。この地震で倒れた塀の下敷きになる等して亡くなられた方も出ています。慎んで哀悼の誠を捧げたいと思います。そして怪我をされた方、多くの被災された方に慎んでお見舞いを申し上げます。まだ暫くは大小の余震が予想されますので注意が必要です。

 

 

 

巨大地震に対しての意識

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昨今、南海トラフ地震や首都直下型地震などの巨大地震の発生が懸念されています。またここ最近も中小規模の地震が多発しています。南海トラフ地震に関して言えば発生時期はもう、いつ起きても不思議ではない時期に来ているのだそうです。それは今日かも知れないし、数十年後かも知れません。予想される死者数は33万人とも言われ、その発災時被害額は実に220兆円、首都直下型地震は110兆円とも言われています。あの阪神淡路大震災で当時約10兆円、東日本大震災で当時約17兆円です。南海トラフ地震や首都直下型地震が実際に発生すれば日本の経済や国民の生活はガラリとその様子を変えてしまうかも知れません。

こんな話を聞くと絶望してしまう人もいるでしょうね。かく言う私もその一人でした。この日本がそこまでなってしまうならもう、お終いじゃん、生き残っても死んでも大して変わりはないよね、と。でも私は考えを改めました。

もし、巨大地震が発生して仮に生き残ったとしたら、私に何が出来るだろうか?無論、私一人の力では私一人を守るのに精一杯かも知れません。なので私は個人的に防災用品を備える事にしました。アウトドア用品が多く流用出来る事も知りました。食料や水も品質保持期限の長いもので携帯性の高いもの。色々研究しました。

私はある日、思いました。私一人が生き延びてもそれほど意味はないだろうと。それなら生き残った人達と助け合って生き延びる方がより建設的だろうと。それならもっと知識や技術を高めて自分の声が届く範囲でもいい、それを伝えてみようと思いました。

手始めに私は防災士の資格を取りました。次はNPO団体を立ちあげようと思っています。

3.11発災後、自衛隊や警察、消防、各国の支援団、各ボランティアなど沢山の人達が協力し合って被災地を助ける様子を見て深く感動したのを覚えています。無論、被災地の方々の生きると言う強い意志があったから今がある、と言う事は間違いありません。しかし、なんの支援もなければそうならなかったのも事実でしょう。

 

南海トラフ地震は更にその上を行く規模が予想されています。国民一人一人が今からでも備えをするべきです。備えとは、避難持ち出し品の備蓄、食料や水の備蓄は当然ですが、普段から家族や周囲と話し合い、被災したら何処に集まろうとか、電話が不通の際の連絡方法をあらかじめ決めておくとか、この場合の避難経路はこの道にしようとか色々話し合っておく事が大切です。皆で想像する事が大切なのです。そして、一人一人が決して諦めない、その気持ちが自身を生かし、周囲を助け、やがては復興を早めると私は考えます。

 

南海トラフ地震発生で想定される震度や津波の高さ

http://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/nteq/assumption.html

気象庁HPより

 

サバイバル状況下での優先順位

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災害や遭難など色々なサバイバルな状況が考えられると思います。サバイバルには3の法則と言う物があります。一番最初にすべきか、次は何をしたらいい?そんなサバイバル状況下での行動の優先順位を3の法則に沿って考えてみました。

まず、一番最初にすべきはシェルターの確保、つまり、雨風を凌げる場所の確保です。人間は正常な体温を保たないと3時間程で死んでしまいます。例えば林野などで行動中に雨で衣服がびしょ濡れになった時、そこに風が吹けば体力はどんどん削られていきます。場合によっては夏場でも低体温症を起こすリスクがあります。逆もまた然りです。炎天下で長時間行動していると体温が上昇し、やがては倒れ命を落としてしまいます。大切なのはまず、第一に雨風を凌げる場所を作る事です。

第二に水分の確保です。人間は成人で一日に2リットル程度の水分を必要とします。水分を摂らないと人間は3日程で死んでしまいます。手持ちの水以外から確保しなければならない事を考えると水を得る知識がないとなかなか難しいかも知れません。実際、水を得る方法は色々あるので、また別の機会に紹介したいと思います。

第三に熱源の確保、つまり、火を起こす事です。火があれば冷えた身体を暖める事が出来ますし、濡れた衣服を乾かす事も出来ます。また、火を得る事によって温かい食事も摂れますし、第三者に自分の位置を知らせる事も出来ます。また、火を得る事で安心感を得る事も出来るのです。

最後に食糧の確保です。空腹と言うのは辛いものですが、人間は水分だけでも3週間程度は生きる事が出来ます。もっとも3週間、何も食べない状態では最早歩く事も叶わないと思いますが。自然下で食料を得る知識や技術もあれば生存率は飛躍的に上がりますが、まずは通常の食料とは別に非常用としてチョコレートやエネルギーバー、マヨネーズなど、携帯に優れた高カロリー食品をある程度準備しておく事をお勧めします。当然、一日にチョコレートを一欠片では満腹にはなりませんが、それでカロリーは充分得られるのです。後は一日も早く救助される努力をする事です。サバイバルの基本として、自分が遭難を自覚し、安全な場所を確保したら無闇にベースとなる場所の移動はしない事です。今回は遭難を主に書きましたが、災害発生後も同様の事が言えます。備えあれば憂いなしで備蓄は生き延びる為に不可欠です。

自分が遭難したり被災地で孤立している事を知らせる方法などはまた別の機会に紹介したいと思います。

最悪の事態を想像する事

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地元の消防団に入り、二十余年が過ぎました。防災士の資格を取り、考えた事があります。せっかく防災士になったんだから何か地域の為に働かなければ勿体ない。未曾有の大災害が必ず起きる。その時、自分達に何が出来るのか。そんな思いで立ち上げたのが山梨防災マネージメントです。発災前の注意喚起やどんな物を揃えておくべきか。また発災後にはどの様な行動を取るべきなのか。考えは尽きません。

 

私は想像こそが防災の第一歩だと思っています。例えば、今この場で地震や大火災が発生したら?貴方はどうしますか?日頃から想像していれば、普段から備えておくべき物やまず取るべき行動が見えて来るはずです。災害が発生して一番いけない事は他力本願になる事です。行政をあてにし過ぎた結果、サービスの遅れを批判する、これは大きな間違いです。何故なら行政も被災し活動不可に陥っている場合があるからです。発災後、とにかく大切な事は自助と共助です。自助とは、自分の身は自分で守る、と言う事。共助とは互いに協力し合って生き延びる事、つまり避難所などのコミュニティを指します。これに対し、公助とは行政からの支援を指します。確かにこの行政の支援は我々の税金で賄われている部分はあるのですが、大災害により、備蓄倉庫や建物は倒壊し、主要道路や空港の滑走路は隆起し、車や飛行機、ヘリコプターなどが破損してしまったら、流石に3日待てば必ず来てくれると言うものでもないのです。私達は災害に対しては常に最悪の事態を想定していなければいけないのです。勿論、行政もそうなんですが、その想定が実際の災害を上回っていたなら私達は生き延びる事が出来るでしょう。

そして、もう一つは決して諦めない事です。自分がもうダメだと諦めた時点で終わりです。何があっても必ず生き延びると言う信念は人を強くさせます。そして生き延びる為の知識と技術があれば生還する事は可能です。一人でも多くの方がこの生き延びる知識と技術を持っていたら一人でも多く生き延びる事が出来るのです。今からでも遅くはありません。来たるべき未曾有の大災害に備えるべきです。